○柏原市男女共同参画推進条例

平成18年12月25日

条例第52号

男女が、すべて人として平等であり、個人として尊重される社会を実現することは、私たち柏原市民にとっても共通の願いである。

柏原市は、これまで、積極的に男女平等の推進に取り組んできており、平成17年3月には「かしわら男女共同参画プラン」を策定し、市民とともに男女共同参画社会の実現に向けた取組を進めてきたが、真の男女平等の達成にはなお一層の努力が必要である。

こうした状況を踏まえ、柏原のまちに関わるすべての男女が性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮し、責任も分かち合い、家庭・地域・学校や職場などあらゆる分野において参画できるよう、市、市民、事業者、そしてあらゆる分野の教育に携わる者が一体となって取り組むことが重要である。

ここに、柏原市は、将来に向けて、国際社会における動向と連動しながら男女共同参画を推進することを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進について、基本理念を定め、市、市民(市内に居住、通勤、又は通学する者をいう。以下同じ。)及び事業者(市内に事業所を置く事業者及びその他の団体をいう。以下同じ。)の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) セクシュアル・ハラスメント 職場その他の社会的関係において、他の者に対し、その意に反した性的な言動をすることによりその者の就業環境等を害し、又は性的な言動を受けた者の対応によりその者に不利益を与えることをいう。

(4) ドメスティック・バイオレンス 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号において同じ。)その他これに準ずる親しい関係にある者又はかつて配偶者であった者に対する身体的、精神的、経済的又は性的な暴力行為その他の苦痛を与える行為をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が性別によって直接的であると間接的であるとを問わず差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他男女の人権が尊重されること。

(2) 性別による固定的な役割分担等に基づく社会における制度又は慣行が、男女の社会における活動の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されること。

(3) 男女が、社会の対等な構成員として、市における政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。

(4) 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、その他の活動と両立できるようにすること。

(5) 男女が、それぞれの身体的特徴についての理解を深め、妊娠、出産等に関する事項について互いの意思を尊重するとともに、生涯にわたり健康な生活を営むことができるように配慮されること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的かつ計画的に策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、男女共同参画の推進に関する施策の実施に当たっては、市民、事業者、国及び他の地方公共団体と連携して取り組まなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念に基づき、社会のあらゆる分野において、男女共同参画を推進するよう努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に基づき、その事業活動を行うに当たっては、男女共同参画の推進に努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

2 事業者は、男女が職場における活動に対等に参画できる機会の確保に努めるとともに、職場における活動と家庭生活における活動とを両立することができる環境の整備に努めなければならない。

(性別による差別的取扱い等の禁止)

第7条 何人も、社会のあらゆる分野において、直接的であると間接的であるとを問わず性別による差別的取扱いをしてはならない。

2 何人も、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。

3 何人も、ドメスティック・バイオレンスを行ってはならない。

(公衆に表示する情報への留意)

第8条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担、異性に対する暴力的行為を助長する表現及び人権を侵害する性的な表現を行わないよう努めなければならない。

(基本計画)

第9条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、基本計画を策定するに当たっては、第18条に規定する審議会の意見を聴くとともに、市民及び事業者(以下「市民等」という。)の意見を反映させるよう努めるものとする。

3 市長は、基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。

4 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 市は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮するものとする。

(調査研究)

第11条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を策定し、及び実施するため、必要な調査研究を行うものとする。

2 市長は、前項に規定する調査研究の成果を公表するものとする。

(啓発)

第12条 市は、男女共同参画に関する市民等の理解を深めるため、啓発の向上に努めるものとする。

(教育及び学習の推進)

第13条 市は、教育及び学習を通じて市民等が男女共同参画に関する理解を深めることができるよう必要な措置を講じるものとする。

(市民等が行う活動への支援)

第14条 市は、市民等が自主的に行う男女共同参画の推進に関する活動を支援するため、当該活動について必要な措置を講じるものとする。

(推進体制の整備)

第15条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、必要な体制の整備に努めるものとする。

(意見、提案等の取扱)

第16条 市民等は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は市が実施するその他の施策で男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められるものについて、市長に対し意見、提案等を申し出ることができる。

2 市長は、前項に規定する申出があったときは、必要な措置を講じるものとする。

(相談への対応)

第17条 市長は、市民等から性別による差別的取扱い等の相談を受けたときは、他の関係機関との連携を図るなど適切かつ迅速に対応するものとする。

(審議会)

第18条 本市に、男女共同参画の推進施策に関する重要事項について意見を聴くため、柏原市男女共同参画審議会を置く。

2 柏原市男女共同参画審議会の組織及び運営については、規則で定める。

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

柏原市男女共同参画推進条例

平成18年12月25日 条例第52号

(平成19年4月1日施行)